2005-05-23

5/16〜5/22



 こちらに来て驚いたのが窓が恐ろしく整頓されていること。そしてベランダがないこと。景観を大事にするドイツは洗濯物を外に干しては駄目だそうです。が、私は平気で布団を窓から干しております。洗濯物は家にあるでっかい物干しで干しています。窓がどでかい分、日光がよく当たるのであまり問題はありません。で、窓の話に戻ると、何が整頓されてるかって、窓はもう主婦の命なんかしらんけど窓ではなくディスプレイなのです。植木を飾ったり(窓の外にむけて)、趣味で集めている物を飾ったり。それはそれは綺麗です。そして窓ガラスもぴかぴかです。そういやいつぞやの日曜日。向かいのアパートのお母さんがずうううううっと窓を磨いていました。私は日本で窓越しに見える醤油の瓶だとかおたまとかフライパンをかけてるであろう陰とかそういうのを通して「あぁ。みんなそれぞれ生活してるよね」って実感していたのでこの違いには驚きました。最初の方に感じていた生活への実感のなさはこの美しすぎる窓のせいもあった気がします。で、作品にもこのドイツの窓を使ったのですがこの作品をみて、なんで?って聞かれたのでそういった話をしたら、「ドイツの窓は美しいてか?そうなの?僕にしたらこれは”私達の暮らしをみないで!”って感じがしてあまり好きじゃないな。その点オランダはこんな目隠ししないで全部みえるからオランダの窓はもっとおもしろいよ!」と言っていました。所変われば品変わる!って感じですね。おや?何か違いますね。





窓その1


典型的なドイツ窓(らしい)
上下にカーテンかけてるとこが


ヤーノッシュのハム


一枚一枚瓦を放り投げて渡していく
3番目の人が黄色の筒にほりこむ


ここまで頑張って本日終わり


カップヌードルマッシュルーム味


ギャラリー入り口


展示風景その1


展示風景その2


戴いた花と本


サプライズ!俺っちもビューチーの仲間入り


演説。でっかいスクリーンまで設置!


彼は若いながらも熱い拍手を贈っていた


POLIZEIかっこよろし


選挙ポスター


この空が大好きだ



5/16 Mon

 今日はキリスト昇天祭の一週間後の祝日。お昼よりあゆみやしちーに手伝ってもらって搬入開始。夜はチャイナインビスで中華料理を食べた。搬入終わらず。

5/17 Diens

 お昼前より宮シチーに手伝ってもらって再び搬入開始。デビッドが今日は手伝ってくれるはず。朝に電話したら大学が終わってからなので1時か2時に行くと言っていたが結局こなかった。夕方、お仕事終わってあゆみこが手伝いに来てくれた。7時頃ミヒャエルさんがライトチェックに来た。一通り展示は終えていたのだけれど、「これは君のコンセプトにあわない展示ではないのか?」と展示について色々アドバイスをくれる。私がもだもだしていたところをずばっと指摘してきた。いくつかの作品を場所移動。今日もあゆみやしちーに遅くまで手伝ってもらった。作品移動によってできてしまった釘後などを埋めてペンキ塗ってほぼ終了。2人がいなかったら私一人でこれをやらなあかんかったと思うとぞっとした。ぞっとしたというかそれは無理。感謝しても感謝しきれない程2人にはこちらでお世話になっている。

5/18 Mitwoch

 朝、ごつん。ごつん。というすごい音で目が覚める。ゴミ収集かと思ってたら向かいのアパートの屋根の修理のよう。一枚一枚剥がして放り投げてバケツリレー。丁寧といえば丁寧だが気の遠くなりソナ作業。で。私も起きて、壁の修正を少しして、ペンキが乾いた頃に作品をかけに行く。小さいのも展示しておく。12時半頃プレスがくる予定だったのだけど、残念ながら隣のアカデミーのグループ展のみで終わったらしい。ミヒャエルさんが隣もって強く交渉してくれたみたいいやけどどっちか一個ね。って言われたらしい。これは残念。そのままミヒャエルさんとライト調整をすませて後はタイトル考え直したりポートフォリオ修正したりとかそんなことをしていた気がする。

5/19 Donners

 展覧会初日。朝は何をしていたのだろう。ポートフォリオとか細々した事の修正をしていたと思う。18時半頃降りてグラスとかの準備して、隣のアカデミーのグループ展を拝見。おぉと思う物もあればえ?と思うのもある。日本人の学生が3人いて、そのうち2人少し話をした。アカデミーは最近お金がいるシステムになったらしくって確か年間500か1500ユーロ(500と1500では偉い違いだが忘れてしまった)いるらしい。ドイツは裕福な人もそうでない人も教育は平等にとの考えから学費がいらなかったのだけれどそれが最近変わってきたらしい。それに対する非難運動もあるとのこと。で、アカデミーは一応試験があって、90×125cmまでのドローイングやら作品25点まで提出できるらしい。それをみて先生が決める。ただ、先生が気に入ったら聴講生とか研究生とか学生としてひっぱってくるというようなシステムもあるみたいで、40人の定員のうち20人位がそういった形で入学しているので実質試験で受かるのは半分位なんだって。でも作品がしっかりしてると「君はわざわざ学校で習わなくてもいいじゃないか」みたいな事で受け入れてもらえなかったりもするらしい。ギャラリー事情はというと貸しとかはなく、企画物なのでギャラリストも本気で作家を選んでいるらしい。ただ美術でお金を稼げるかというとそうでもなく、特に外国人の場合は学生でなく労働ビザを美術家で登録すると他の仕事はできず、美術で稼いだお金で税金を納めないといけないのでしんどいですねーと言っていた。そういう彼にどうやって生活してるんですか?ってきくとドイツ人と結婚したのでまたちょっとビザが変わっているんですよ。と言っていた。
 で、肝心の展覧会なのですがまず、日本領事館の方のご挨拶。それとKulturamtes Duesserdorf つまりこちらでお世話になってるデュッセルのオフィスのこの交流プログラム担当のボスの方からのご挨拶。そしてミヒャエルさんのご挨拶。日本領事館の方からは私の略歴と日本とドイツ、デュッセルドルフの関係のお話、担当ボスの方からはこのプログラムについての説明、日本とドイツの若い世代のアーティストの交流が深まれば。みたいなことなど。ミヒャエルさんからは私の作品についての説明とコンセプトなどの説明を。ミヒャエルさんの説明等は領事館の角田さんが通訳をしてくれたのだけれども、間違いではない(微妙な違いはあった様に思える)。搬入時のアドバイスといい、作品について深く説明したつもりはないのだけれどよくわかっていてびっくり。例のコンセプト文パワーかしら?或いはプリンターを探してもらうとき、なんでこのマテリアルが必要なのかを一生懸命説明したのが良かったのか。ちなみにコンセプト文を渡した後、ミヒャエルさんのプリンター探しの姿勢が変わった気がしていた。気のせいか。なんにしろすごいと思った。
 たくさんの人が来てくれて、みんなポジティブな反応を示してくれた。トレペの後ろを一生懸命見ている人がいたりしたのも「よしよし」と思った。「この紙の向こう側の壁に絵が描いてあるの?」と聞かれた時はニヤリだった。色んなアーティストが来ていたのだけど、「今度こっちから日本に行くこのプログラムに応募しようと思ってるんだ」というアーティストが来ていた。彼が日本に来れることを祈る。
 あゆ宮シチ、マルタとヤン、マリア、デビッド、マーティンも来てくれた。あゆ宮シチが綺麗なお花を!マーティンはお得意のワインをくれた。マルタヤンマリアデビッドはひまわりと「JapaneseBeauty」という昔のポスターや雑誌の表紙を集めた本をくれたのだけどこれにサプライズが隠されていた。最後のページにコーブレンツに行ったときの私の写真がはりつけてあった。わーい。ビューチーの仲間入りだぜ!そんなこんなで12時頃疲れたのでお開きにした。ちなみに明日からミヒャエルさんは10日間のホリデーだそうだ。どっか行くの?と聞いたら「海。釣りに行く!」と言っていた。お疲れ。ありがとう。思う存分魚を釣って喰ってください。

5/20 Frei とうとうやっちまった!

 朝、こないだのwebギャラリーの件で2人組のうちの一人、オリバーが撮影に来た。さくっと撮影終了。帰り際に「今日は色んなギャラリーでオープニングがあるから行くといいよ」と教えてくれた。
 家に帰ってこまごました用事をすませて.....その後、事件発生!!!!
 ギャラリーに置いておくものがあって、準備して、急いで部屋を出た。で、「あ!」と思った時すでに遅し。部屋のドアをがちゃりんこと閉めてしまった。鍵は部屋の中に置いたまま!はっ入れない!!!オフィスに電話をしたくても何も持って出なかったのでお金もなければ電話番号もわからない。いつかこんな失敗やらかすんちゃうやろか。とは不安だったけどやっぱりやってしまったか!!
 大パニックになって下の部屋のRiaさんの所に行ってみたがお留守。おそるおそるお向かいのベルを鳴らすと今回はご主人のヨアヒムさんが出てきた。事情を説明するとまずミヒャエルさんの電話番号にかけてくれた。しかしながらミヒャエルさんは今頃釣りしてるはず。アウチ!カレンさんの電話番号をネットで調べてかけてくれたけどお留守。その他知ってる人はなし。もう5時なのでオフィスには誰もいない。今日は金曜日。土日はオフィス誰もこないよ。この週末どうすりゃいいんだ。お金も持ってきてないよ。ラティンゲンにも逃げ込めないよ。電話番号も覚えてないよ。気が遠くなりそうであうあうあうあうなっていると、「大丈夫!とりあえず落ち着こう。よし!コーヒーでも飲もう。」と言ってお部屋にいれてくれた。ヨアヒムさんも奥さんもアーティストなので2人のアトリエをみせてくれたり、娘さん(ちびっこ)のお部屋や作品をみせてくれたり。ヨアヒムさんは立体作家でありバイオリニストでもあるそうで、バイオリン教室をしてると言っていた。コーヒーを入れながら奥さんに電話して、手当たり次第電話をかけてくれた。でも5時を過ぎてるのでほとんどつながらず。「もしどうしようもなかったらこの週末はうちに泊まればいいよ」とまで言ってくれた。ほとほと自分の馬鹿さ加減に愛想がつきつつ親切に感謝しつつ「あーでも今せーりちゅーなのよねー(失礼)」とか考えていた。電話をしてもらってる間、内蔵がもがもがもがもがした。生きた心地がしなかった。
 返事待ちが何件かあって、それを待ってる間、「そうだ。たぶん。ここのドア、そこまで厳密じゃないから隙間に何かいれてこじあければ開くかもしれない。やってみよう!」という事になった。プラスチックの薄い定規をドアの隙間に押し込んでチャレンジ。最初はヨアヒムさん。カチャカチャ音がするんだけど開かない。次に私もやってみる。中々難しい。そしてまたヨアヒムさん。今度はさらに厚紙を用意して二刀流で。15分程して・・・ガチャ!開いた!ドアが開いた!すごい!ヨアヒムさんすごい!「おぉ!僕もこんなの初めて!」と本人もびっくりしてた。すごいすごい!魔法使いみたい!と私も大喜び。ヨアヒムさんもうれしさで踊っていた。
 その後お礼に近くでケーキを買って持って行くとお髭剃り中だったようで、顎にシェービングの泡たっぷりつけてランニングで出てきはった。笑ってはいけないが部屋に戻ってから笑けた。しかし本当にいい人ばっかりに出会えて自分はなんて幸運なんだと思う。
 19時頃、NRW-ForumのBettinaRheimという写真家の展覧会のオープニングに出かける。電車に乗っているとカートコバーン似の男前がギターをかかえて乗ってきた。服装もグランジでかっちょぶーとか思ってると急にギターを出して歌い始めた。よくあるお金稼ぎではなく、タダ単に歌いたかっただけらしい。気持ちよくヘブンズドアーとか歌ってるのはいいが、歌い方が興奮状態のあがた森魚風だった。うーん。黙ってギター弾いてたらかっこいーんだけどねー。この車内。携帯でしゃべくりまくってる人が3人ぐらいいるわ、歌うたってる人いるわなんか変な車両だった。
 広場の手前でなにやら演説が。そっか。明後日は5年に一度の選挙の日。選挙演説のようです。何を言ってるかわからないけどたくさんの聴衆がわははと笑っていた。楽しい演説なのだろうな。そしてどえらい若者まで熱心に聞いて(柱に登ってまで)そして熱い拍手などをしていた。
 NRWにつくと恐ろしい程の混み具合。どうやらオープニングの日は美術館はタダで入れるみたい。私が入る時もなんのチェックもなかった。そしてビールやらワインやらもタダで飲める。そら、人も集まるわ。作品をみに来たのかタダ飲みを楽しみに来てるのかどっちやねん。と最初は思ったけど、飲んだくれてる人も見あたらず、みんな作品鑑賞も楽しんでる模様。だから何?と言われるとうまく説明できないけどオープンやなーと思った。
 NRWを出て、昨日ギャラリーに来てくれたアーティストの展覧会が今日からなのでそちらに向かう。彼女はクンストアカデミーで映像を勉強して作家として活動してるらしい。こちらのオープニングも盛況。今回の作品は映像ではなくてドローイングだったのだけどおもしろかった。

5/21 Sams

 今日は3時から6時まで画廊にいた。(土日祝は2時から6時まで)私がいる間にきはったのは2人。6時頃、中川君というミュンスターのアカデミーで写真の勉強をしている友達の友達が来てくれた。
 今日はラティンゲンにてあゆみやしちー主催のたこやき会があるので一緒に出かけた。スタジオでコーヒー飲んですぐ出かけるつもりが思いの他時間をとってしまった。おまけにラティンゲン着いてからもしゃべくりまくってたせいで道を間違えて家に着くまでかなり時間がかかった。死にそうにお腹が空いていた。のでW中川で鬼の様に食べた。本日のメニューは肉じゃがとそうめんとおにぎりとだし巻きと日本特製しそドレッシングサラダとあゆみこ特製プディング。たこ焼きは電圧の関係上使用できず、お好み焼きに変更していた。たこ焼き機の電圧に変圧器が対応してなかったらしい。といって直接コンセントにさすと220~240Vだけあって急速にたこ焼き機が熱くなってしまい使用を見合わせたとの事。
 夜、ラティンゲンの駅に中川君をお見送りに。1:48の電車に乗れば3時頃ミュンスターにつくらしい。彼もタフやけどそんな時間まで電車があるのもすごい。ラティンゲンの駅にたむろしていた酔いどれハードコアパンクキッズ達がうれしそうに「こんにちは」とか「おはよございます」とか言ってくる。その姿はまるで、酔ったサラリーマンが外国人をみつけた際に「ハローハロー」と言っている姿と一緒でがんす。
 本日の発見。近所のガキんちょコミュニティーの中の12~16歳辺りののちょっとおませなGAL達は日本人男子を見かけるとやたらと知ってる単語で話しかけてくる。わし一人で歩いててもしゃべりかけてこんくせに。宮シティのが来てた時は「あなたはジャッキーチェンですか?」やったし中川君の時も「こんにちは。犬夜叉。らんま。私の父は犬夜叉です。私の姉はあかねです。」と言っていた。このマセガキがっ!!ちなみに言ってる内容はちんぷんかんぷんやぞ。

5/22 Sonn

 今日はラティンゲンから帰ってギャラリーへ。3時頃ギャラリーに。2人ほど人が来ていたらしい。その後は二組。合計4組。のんびりと。
[Deutschland]

1 Kommentar:

Anonym hat gesagt…

よこです。鍵事件大変だったのね。でも日記おもろい・・(ごめん、シャーデンフロイダ??ではないよ!ー>だったりして)がんばって制作してねん。ではまた!